BioShock Infinite クラッシュ・イン・クラウド

2013年8月13日火曜日

 バイオショックファンが水面に揺らぐラプチャーの影に興奮の声をあげる中、ひっそりとリリースされたBioShock InfiniteのDLC第一弾、クラッシュ・イン・クラウド。いや、ひっそりということもないはずなんだが…北米で400万本の売り上げを誇るモンスターソフトなんだから。でも、正直みんなやってないでしょ?これ。なにせラストまで通してクリアしてない俺の凡スコアがランキング200位くらい(Xbox360版)。分母を考えると明らかにおかしい。たしかにシーズンパスのための数合わせに作られたDLCという雰囲気が漂っているのは事実だが、果たしてそれは正しい認識なのだろうか…?

 …正しいんじゃねぇかなぁ。何が良くないってステージセレクトができないのが良くない。このDLCには特定の条件を満たした上で敵を全滅させてステージクリアするブルーリボンチャレンジというものが存在するのだが、ステージによっては敵の初期配置の把握が必須だったり運が絡んだりするにもかかわらず失敗したらステージ1からやり直さなくてはならない。敵が勝手にフレンドリーキルや高所からの落下で死亡してチャレンジ失敗になったとしてもだ。

 とはいえ、なんだかんだで遊んでしまう楽しさはある。そして遊んでるうちにゲームとしての BioShock Infiniteの快楽の一端を担う要素がはっきりとわかった。それはコール&レスポンスの気持ちよさだ。ティアの開閉や物資の受け渡しといったエリザベスとブッカーが共闘するシーンでは必ずお互いに短い台詞を発してコンタクトを取る。「開けろ」「オーケー」「やるんだ」「完了」「やってくれ」「もちろん」「キャッチして」「ありがたい」「受け取って」「了解」などといった風に。ストーリーが進行して敵の攻撃が激化するにつれこのコンタクトの頻度は高くなり、間隔は短くなる。そのテンポがプレイヤーを高揚させるのだ。
 その高揚の部分だけを抽出したようなDLCなのだからまったくもって楽しめないなどということはあるはずがない。本編でやったら野暮になるような特殊キルやコンボキルのボーナスポイント表示を取り入れたのも正解だろう。これまた高揚感に繋がる要素だ。そもそもビガーは単体でも強力すぎるので本編(難度:ノーマル)ではコンボを狙うにはオーバーキルすぎるのだが、ここでは思う存分に凶悪なコンボキルのスキルを試すことができる。図らずも韻を踏みまくってしまうぐらいの楽しさだ。
 デビルズキスの火の海にアンダートゥで敵を引きずり込むだとか、バッキングブロンコで浮かせた敵をチャージで場外へ叩き落すなどといったおもしろキルにはおもしろキル手当てが支払われ、デカデカとした表示でそのおもしろさを称えてくれる。豊かな気持ちにもなろうというものだ。

 ここまでやってくれるならもう少し作りこんでくれた方が馬鹿馬鹿しくて楽しいものになったのでは…と思ってしまうのだが、いやいやこのままでも充分楽しい。シーズンパスを買うだけかってこのDLCを放置してる人も、ちょっと遊んでみてはどうだろう。損はしない…んじゃないかなぁ?

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